泣きたくなるような、天気のいい日。君にはどんな空が、見えていますか。

引っ越してから、もう1ヶ月が経とうとしている。
2月は逃げる月、3月は去る月とは言うけれど、
時間の経つ早さというのは本当に恐ろしい。

2月末に引越しを手伝いに来た母がちょうど帰ろうかという頃、
ゲームをエサに、新しい家具の受取などのために留守番を頼んだ弟が来て、
3月半ばくらいまで滞在していたので
およそ3週間くらい、故郷以外で家族と暮らすという、
今までにない特殊な生活を送っていたことになる。

2人が帰ってしまったとたん、急に1人であることが実感されて、
さびしいというより、決定的に何かが欠けてしまったような気がして、
しばらく部屋に帰っても落ち着かなかったのだけれど、
ようやく元通りの暮らしに慣れてきた。

帰る間際に、気が向いたときには片付けをしてくれていた弟が、
「俺がいる今がこの部屋の、一番綺麗な状態なんだろうな」
とぼそっと呟いた。
今、それが現実のものとなりつつあるので、
そろそろ本腰を入れて片付けなければ。

それにしても、多少はスペースが増えたはずなのに、
それでも収まりきらない異常に多い荷物はどうしたものか。

もっと自分が偏った人間だったら、こうはならなかったのかと思う。
ジャンルに拘らず無限に増える、本、漫画、雑誌、
やる時間がなくても、つい買ってしまうゲーム、
どうして毎年同じではいけないのか、
恐ろしいペースで領地を拡げ続ける洋服たち、
新しいものが出る度欲しくなってしまう家電製品。

自分の好きなもの、大切なもの、その順位がはっきりしていたら、
こんな風にはならないのだろう。
混沌とした部屋はそのまま私自信を映しているよう。
だから、
「何が好きなの?」「本当はいったいどんな人なの?」
と、誰もが聞くけれど、
「すみません、私にもよく分からないんです」と言うしかないのだ。