君に心からのおめでとうを言うためなら、どこまでだって飛んで行こう。

友達の結婚式という、帰省するにはうってつけの口実を手に入れて、
10月から11月に変わる数日を実家で過ごした。

そこに漂う空気は、何もかも変わらないけれど
(弟がいない分、少し静かになったような気もする)
父の作ったステンドグラスが少し増えていたり、
Wii Fit Plusとフラダンスの成果なのか
母が少し痩せたような気がしないでもなかったり、
変わらない中にも少しずつの変化があって、
それは当たり前で幸せなことでもあるけれど、
いつか来る避けられない大きな変化の予兆のようでもあって、
少し、胸が痛む。

自分では「私がいない家」を知覚することができないせいもあって
やっぱり私がそこにいる方が、自然な状態のような気がして、
東京に1人住んで普通に働いている自分をいつまでも歓迎することができない。

そんな虚ろな私も別の場所から見れば、
器用に世の中を渡り歩いて成功しているように見えるのだろう。
たとえ他人に微塵も見せないところでは、
失ったものを思っていつも号泣しているのだとしても。

つかの間の休息から東京へ戻るその日は、
冬が来るなんて嘘みたいに温かくて、
世界が時を進めるのをためらっているような気がした。


一度だけ、名前を呼んで笑ってくれたその一瞬を、
いつまでも、いつまでも。

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玄関を開けたら迎えてくれたカエル(これは父の作ではない)。
おカエり、ってことらしい。